茨城 お寺からはじまる グリーフサポート連続講座 第2講

今回グリーフサポート連続講座 in 茨城 第2講のレポートを担当します、真宗大谷派光円寺准坊守の藤智子です。今回第2講のテーマは「自分自身を知る~セルフケアを学ぶ~」です。
講座はチェックインから始まります。「今日の調子を1~10の数字で表すといくつ?」というテーマに対して、今回は「4です」というチェックインが続きました。その中で、「10です」と満面の笑みでチェックインされた方のときには会場から「お~」と歓声が沸きました。そんな、普通よりちょっと体調がすぐれない人が多い中始まった第2講です。

まず、前回の宿題であった『jodomail』を各班のメンバー間で読み上げ共有しました。亡き人への手紙ということでの想いがあふれ出て涙を流しながら読み上げる方もいました。「今までがまんしてきた悲しみと向き合うきっかけになった」「気持ちの整理が出来ていないから涙が出てきてしまうが、まだ整理をしたくないという気持ちもある」など感想が寄せられました。前回の第1講で学んだ「何年たっても『ゆるぎ』があっていいんだよ」ということを体感できたワークだったように思います。

続いて、よこさん(水口陽子さん)より今回のメインテーマにもなっている「セルフケア」についての講義に移ります。「セルフケアとは自分自身を大切にすること。加えて、自分自身を知ること、気に掛けること、なんですよ。」と伝えてくれたよこさんの話が、セルフケアについてそういう捉え方をしていなかった私にとって新鮮でした。

次に、今日1つめのワークに取りかかります。自分の一生を表した線を描いて、その上に失った出来事を書いていくワーク(ロスライン)です。今まで生きてきた数十年分の出来事を数分でまとめる作業はなかなか大変でした。参加者からは「平々凡々に生きてきたようでも振り返ってみると色々な喪失体験をしていたことに気づくことができた」「喪失体験に今触れたくないということに気づいた」など感想が聞かれました。よこさんより、「それぞれが良い、悪いということではなくてそれが今の自分と気づくことが大事なんですよ」いうお話がありました。つい、「こんな自分ではだめ」と思ったりしがちですが、『ままに』自分を自分で受け止めていくことが大事なんだなぁと感じるワークでした。

再び講義に戻り、「なぜセルフケアが大事なの?」「共感疲労って何?」「共感疲労に陥らない境界線ってどんなもの?」という講義が続きます。その講義の中で自分が人のグリーフなどでしんどい話を聞いたとき、自分にどんな身体の症状が出たか振り返り、その場所に手をやさしく当て深呼吸をしてみるというワークがありました。自分の手を当てて深呼吸をしているだけなのに思っていた以上に心地よくて驚きました。「お手当」パワーのすごさを身をもって感じることが出来ました。

本日の講座、ラストのワークはセルフケアの傾向を知るワークです。自分が普段行っているセルフケアを講義で学んだセルフケアの種類に分類していき、参加者同士で共有します。同じ「音楽を聞く」というセルフケアでもその聞き方は「音楽を聞いて泣いてデトックス」している方もいれば「音楽を聞いて気分アゲアゲ」する方もいて同じ行動でも捉え方は人それぞれなんだなと感じました。
そんなこんなであっという間に講座は終了し、最後に締めるチェックアウトの時間になりました。チェックアウトテーマは、講座前と同じ「今の体調を10段階で表すといくつ?」です。調子ちょい悪「4」の方が多かったチェックイン、どうなったかといいますと、「講座を受けて自分の気持ちが楽になりました」「充実した講座でした」と「6」にアップした方がいました。その一方で「自分自身と向き合う作業は疲れました」と「4」から「3」にダウンした方もいました。チェックインで絶好調「10」だった方はチェックアウト時も「10です!」と最高の笑顔で答えていました。本当に人それぞれです。

「自分自身を知る~セルフケアを学ぶ~」がテーマだった今回の講座、終了後のアンケートでは「自分について深く探ったことがなかった」と気づいた方、「人と話すことは自分を見つけることでもある」と感じた方など「自分自身と向き合えた事」が有意義だったと回答する方が多くいました。自分を知り、セルフケアを学べた今回の講座を終えて、次回は『聴く』と『対話』を学ぶ第3講へと続きます。次はどんな展開が待っているのでしょうか。今からとても楽しみです。
合掌