名古屋 ファシリテーター養成講座 第1講

皆さま、こんにちは。リヴオンファシリテーターの杏(あん)さんこと野田芳樹です。

2018年の10月23日より、リヴオン「グリーフケアの学びの場づくりファシリテーター養成講座」(以下、FT講座)3期が、名古屋にてスタートしました!会場は、名古屋市の新栄町にある真宗高田派の久遠寺(くおんじ)をお借りして、全8回の連続講座を行っていきます。


(久遠寺副住職の「のぶさん」こと高山信雄さんが作ってくれた看板です。久遠寺門前にて皆さんをお出迎え。)

受講生の数は最終的に14名となりました。愛知からのみでなく、中には山形や大阪などの遠方からお越しの方も。

今回ファシリテーターを務めるのは4名。リヴオンの代表であるてるみん(尾角光美)・リヴオン理事のよこさん(水口陽子)のお二人に加えて、岐阜・光蓮寺の副住職のごっちゃん(五藤広海)と私・杏(野田)の4人で学びを深めるお手伝いをさせていただきます。

ちなみに簡単に自己紹介させていただきますと…私は日ごろ愛知県の春日井市というまちでお坊さんをしています。小さいころからご法事やお葬式に携わることが多く、「お坊さんとして自分には何ができるだろう?」という問いが自分の中で膨らんでいくなかでリヴオンと出会い、東京にて「僧侶のためのグリーフケア連続講座」と「FT講座2期」を受講しました。そして「いのちの学校in名古屋」でのファシリテーターを経て、今に至ります。


(4人での準備ミーティングの様子。写真左手前:てるみん、右手前:ごっちゃん、右奥:よこさん、そして左奥が僕です。)

FT講座の開講前にはこの4人でテキストの改良や、互いの想いのすり合わせなどの事前準備を進めてきました。ミーティングを重ねる中で、「早く講座を開きたいね!」「どんな人たちと出会って、どんなことを一緒に学べるか楽しみだね!」という話をしていたので、第1講を迎えることができたことに感無量です。

ではその第1講は、どのような内容だったのでしょうか?講座の様子を簡単にご紹介します。

●お互いの想いを聴きあう

先ずは日常から、この学びの場に入るためのチェックインから。

初講ということもあり、自己紹介に加えて、「なぜこの学びの場に足を運ぼうと思ったのか」「この連続講座を受け終わったあとの自分なりのGOALはどこか」などを丁寧に共有していきます。

更に、自己紹介に加えて、「今の気持ちにいちばん合った色の折り紙を選んでください」という問いにも答えてもらいました。中央の折り紙をとり、なぜその色を選んだのか、自分の心の内を見つめて言葉にしてもらいます。

たっぷりと時間をとって、丹念に進めたチェックイン。

最初はすこしピリリとしていた場の空気が、お互いの話を聴きあうにつれて徐々にほぐれていくのが感じられました。ご本堂の阿弥陀さまの前、というお寺ならではの力も手伝っていたのかもしれません。(あくまで僕の主観ですが)

●いのちの学校をまるごと体験する

さて、チェックインも無事終わり、次はてるみん・よこさんによるガイダンス。「FT講座ではどのようなことを大切にしているのか、何を学べるのか」などといったことをお伝えします。

そしてこの講座をスタートするにあたり、学びの場をみんなで安心して過ごすための「グランドルール(約束ごと)」を確認します。ふつう、グランドルールはすでに設定されていることが多いのですが、この「FT講座 3期」では、みんなでグランドルールを考えるところから始めました。

そこには、「誰かが押し付けたものではなく、大切にしたいことをそれぞれが共有して、みんなで学びの場を創っていきたい」という願いが込められています。

(実際に出た「約束」)
そしてお昼休みを挟み、いよいよ本丸へ。

このFT講座では、グリーフケアの学び合いの場として各地で開かれている「いのちの学校」をベースにして、場づくりのコツや実際の現場の様子を体験していただきます。

そのため、ひとまずは「いのちの学校」というものがどんなものなのか見てみることが大切。ということで、丸ごと「いのちの学校」の第1講を皆さんに体験してもらいました。(「いのちの学校」は2017年~2018年に名古屋でも開かれていました。その時の様子は、こちらで報告していますので、ご関心あれば覗いてみてください。)

「『いのちの学校』を受けたことがない」という人もたくさんいらっしゃり、グリーフについての基礎知識などの座学パートでは、皆さん熱心に耳を傾けてくださっていました。

また後半のワークでは、お互いが作ったものやそこに込められた思いを共有する時間もとります。ワーク後のシェアの時間では、話がとめどなくあふれている組も多く…

​「ファシリテーター養成講座」とは言うものの、ファシリテーターだって個人的な感覚の濃淡はあれどそれぞれにグリーフを抱える存在である、ということを改めて僕自身の心にとめておきたいと感じました。

だからこそ「みんなが先生、みんなが生徒」という水平的な立場で場に臨み、お互いの存在を大事にしあうことが大切なのだろうなぁと。

  • いのちの学校の舞台裏(解説)

そしてお次は、「いのちの学校」のバックヤードへと皆さまをご案内。

・「いのちの学校」とはどのような目的で開かれているのか?

・それぞれのワークをやる意図は?どんなことに気を付けてやるとスムーズにできる?

・場を切り盛りする上で、どのようなことを心がけたらよいか?

…などなど、実際に体験してもらった「いのちの学校 第1講」を反すうする形で、リヴオンの場づくりの裏側(TIPS)をお伝えしていきました。

それぞれに耳を傾け、メモを取り、時にはお菓子をつまみつつ…あっという間に時間が過ぎ、とても濃密な学びの場となりました。

講座の最後には、学びの場から日常へと戻るため、再び全員で円になりチェックアウトをしていきます。この日の学びの感想をひとことずつ共有して、場を閉じていきます。

​心なしか、初めのチェックインの時よりもいっそう朗らかな雰囲気になっていたように思います。一日、同じ時と場所とを共にして、お互いの話を大切に聴きあうことで、空気は大きく変わるものなのですね。


冒頭にも書きましたが、僕含めこの講座のファシリテーター4人はどんな出会い・学びがあるのかをずっと楽しみにしていました。そして実際に第1講を終えてみて、このメンバーならば共に色濃く豊かな時間と場とを一緒に過ごせるのだろうな、と期待は確信に変わりました。

この仲間たちと共に創り、学ぶ残り7講がどのようなものになるのだろうか。その先には何が産み落とされるのだろうか。――また来月以降も楽しみです。

次回は受講生の誰かが報告ブログを書いてくれる予定ですので、楽しみにしていてくださいね!

最後までお読みいただきありがとうございました。