名古屋 ファシリテーター養成講座 第2講

こんにちは。ちーちゃんこと、三宅千空です。名古屋市の住宅街のなかにある、見た目が「竜宮城」のようなお寺の坊守(お寺のおくさん)です。

(写真中央でぬいぐるみを持っているのが私です。)

ちなみに受講生は、リヴオンが場を開いているいのちの学校やほかの講座でも同じく、「呼ばれたい名前」を考えます。どこに所属する誰さん、ではなく、「私自身」が互いにフラットな関係であることが感じられて、照れくさいけれど心地よい、というのが何度かリヴオンの講座を受講した感想です。

ご葬儀やご法事でお寺にみえる方々とどう関わったらいいのか、どんなお声掛けをしていいのか、したらいけないのかと悩んでいる時にリヴオンに出会い、連続講座を受けました。住職と一緒にお葬式やお寺でのご法事にお参りし、『大切な人をなくした人のための権利条約』をより多くの方にお伝えしたい、と日々過ごしております。

11月26日(月)に「グリーフケアの学びの場づくりファシリテーター養成講座」(以下FT講座)3期の第2講がありました。開催の様子をレポートでお伝えします。

久遠寺につくとまず、案内の看板が出迎えてくれます。「!前回と違う絵かも。。。」ちょっとした心遣いにほっこりとした気持ちになりながら会場へ入っていきます。

1回目の時には「どんな方と一緒に学ぶのかな」と緊張もありましたが、この1か月の間に出された宿題をWEB上で励まし合いながら提出したこともあるのか、「おはようございます」と声を掛け合うみなさんのお顔もリラックスしているなあと感じながら、円になってチェックイン。

●グリーフとは~5分で伝える
まず初めに、宿題の発表。3人のグループを組み、宿題のひとつ『グリーフの定義・4つの影響を5分で説明する』を、互いに聴き合い、感じたことを意見しあいました。

 

 

リヴオンの新聞の「グリーフについて」の絵を見せながらお話。身振りを交えて。私は説明カードを作ってみました。互いの発表を録画し、グループ以外の方の発表も拝見し、後日感想を伝えあいました。

自身や見聞きした物語を含めるということは、その時の自身の状態や過程をたどり客観的に語ることにもなるので、5分とはいえ、これまでの人生を振り返るような精神的に大きな課題だな、と思いながら取り組みました。

 

●ゆらぎ~喪失と回復、両方をたいせつにする
午前中の後半は、グリーフに関わるうえで欠かせない知識と最新の理論を枠組みについて、教えていただく時間。昔はグリーフが回復の方向へ少しずつ向かうことが良いとされ、周囲の人も回復志向へ向かわせようとするのが一般的でした。最近では、喪失志向と回復志向の間でゆらぎがあり、偏るとしんどくなること、ゆらぐことを大事にする、そしてそのための支援や場が必要だといわれるようになってきました。

 

●言葉のイメージ~グリーフケア、グリーフサポート、グリーフワーク
付せんにそれぞれの言葉のイメージを書いて、ホワイトボードに貼りだします。

「それぞれイメージがあり、何が正解ということはありません。みんなが共有できるように言葉の使い方を考えていくといいですね」とてるみんの解説。イギリスでは、グリーフケアの情報が伝えられるとき、必ず「グリーフ イズ ノーマル」と書いてあるそうです。日本ではどうだろうか。大切な方がなくなった直後に伝えられるグリーフケアの情報はあまりにも少なく、もしくはほとんどないのではとききました。これからどのように周りに伝え生かされていくか、なにができるかを、養成講座の学びのなかで深め、考えていきたいと思うお話でした。

—お昼休憩 みんなでお弁当を注文して、話をしながら会場でゆっくりいただきました♪—

<いのちの学校を一部再現、解説>
午後からは「いのちの学校」を一部再現(体験)&解説の時間。オープニングQ、グランドルールの説明、グリーフについての解説。「いのちの学校」で大切にしている、その場に入っていくための時間を改めて考えながら過ごします。

●イロイロな感情~人それぞれ
人によって感情の表現の仕方はそれぞれである、ということを体感するワークを、いくつか行いました。「言葉」「色や形」で表現したものを互いに見合うことによって、どれが良いとかわるいとかではなく、本当に「イロイロ」あるんだなあと気づける時間でした。

大切な人や物を失ったときに生まれてくる感情について、端的な言葉やオノマトペ(擬音語、擬態語)で表現したものを、貼り出して共有します。いろいろあるんだ、人によって違うんだと、目で実感。

そのうちの4つのことばについて、「その言葉の色や形のイメージをアウトプット」色鉛筆を使って、ひとつにつき1分で表現します。「絵を描く」というと身構えてしまう(色鉛筆を見ただけで「描くの苦手」という人もあり)ので、あくまで「色と形であらわす」「上手い下手を問いません」と念押し。短い時間で、その言葉の持つイメージにしんどくならないように、「作品化」することによって、俯瞰しやすくなることを体感しました。

また、様々な感情の中で、自分が扱いやすいと思う感情、苦手な感情について、どんなものがあるか、どんな時に出てくるのかを言葉に表して、2人一組になって聴き合いました。
「どんな感情が、どんな時に出てくるのか」というのは思いがけない視点でした。「感情は感じてもらうために生まれてくる」のことばが印象的でした。

●朗読「大切な人をなくした人のための権利条約」
『大切な人をなくしたあなたへ』。東日本大震災の百か日にあわせてリヴオンから出されている本の中にある「大切な人をなくした人のための権利条約」を、一条ごと朗読しました。

目で読むだけでなく、誰かの発した声で伝わる権利条約。感じ方がこうも変わるのか、と、思いました。今度どなたかにお伝えするときにも、朗読してみようと思いました。

●クロージング~どうして、何を、そこで問うのか

前回宿題だった「クロージングQを考える」ファシリテーターをするときには、どんな視点で問いを考えるかをおききしました。クロージングQひとつとっても、こんなに練って考えられているのか、気づきをたくさんいただいたところで、本日の振り返りをテーブルごとにまとめ、感想や質問を全体で共有し、自分たちも、クロージングQで「ファシリテーター養成講座」の場をほどきました。

それぞれのグリーフをきいたり、一緒にワークに取り組んだりして、メンバーへの信頼感がどんどん増しています。次回は年末。第1講とはまた違うメンバーで宿題をまとめるのも、楽しみです。