茨城 ―お寺からはじまる―グリーフサポート連続研修会 第1講

皆さま、こんにちは。浄土真宗本願寺派青蓮寺藤井知己です。
2019年の6月27日から全5回で、「-お寺からはじまる―グリーフサポート連続研修会in茨城」スタートしました。会場は、茨城県水戸市にあります浄安寺、ひたちなか市正安寺で行っていく予定です。
受講生の数は最終的に35名となりました。初回の今回は5名の欠席者がありましたが30名と多くの方が関心をもっていることなんだなぁと思い、また多くの方本当に老若男女を問わない方たちとこれから学びを深めていけるのだなと思うと身が引き締まる思いがしました。

今回ファシリテーターを務めて下さるのはお二方です。リヴオンの代表であるてるみん(尾角光美)・リヴオン理事のよこさん(水口陽子)のお二人です。研修会のはじめに、てるみんさんからお話を頂きました。「私たち(てるみんとよこさん)は講師をするのではなくお産婆さんですよ~この場が学びの場で終わるのではなくこの場から生まれてくるものを願って産み落とすお手伝いをしたいなぁ」とお話下さいました。今まで、色々な講義を聞いて学びを深めて終りだったような気がしてた自分にはこの場から生まれるものという言葉そして、てるみんさんの思いがどういう思いだったのかと始めに聞くことが出来てよかったです。この場で終わるのではなく、この場から始まる学びをしようと思いました。

続いて主催者代表で正安寺ご住職増田直さんから挨拶を頂きました。
「いずれ人は亡くなるという理解で仕方のないことだと理解しようとしちゃっている。グリーフケアということで誰かに寄り添う時になかなか寄り添えない。気持ちが分からない。共感しようと思ってもなかなか難しい。共感出来ないんだと納得して自分というものを保とうとする自分がいる。そんな自分を見つめていこうとしたときに自分一人だとしんどいんです。誰かと一緒に気持ちの共有の場があったらいいのかな」という思いを聞かせて頂きました。生きていく上で多くの悩み、苦しみ悲しみを抱えていかなければならない。お寺は、どのような場であるべきなのか考えさせられる挨拶でした。ではその第1講は、どのような内容だったのでしょうか?講座の様子を簡単にご紹介します。

(てるみんさんから連続研修会の思いを聞いています)

始めに、チェックインとしてみんなで輪になり、ベルをならし沈黙を共有しました。このチェックインは、日常から講座に入る時、終わるとき(チェックアウト)に行うものでこれから大切なものに向き合う時間を共有するのかぁと考えた瞬間でした。沈黙の共有って大切だなと思いました。人数も多いので名前と一言の挨拶でチェックインは終りその後、私の目標(マイ・ゴール)を書きました。

文字にすることでより自分が何を学びたいのか得たいのかが明確になったと同時に周りの方がどういう思いを持ってこの講座に参加しているのだろうか共有できたような気がしました。


(マイ・ゴールについて話し合いしている様子)

小休憩後、二人一組になりグリーフについて伝えるというワークをしました。私の今の理解を相手に伝え聞いたことをフィードバックするというものでした。頭では、なんとなく理解していたものを口に言葉にし、相手に伝えることで理解が乏しいことを知らされ自分が今どれくらいの理解にあるのか分かるきっかけになりました。また、相手の方の言葉を理解し、フィードバックすることで自分にはなかった理解というものに気づくことが出来ました。
3分で人に伝えるって難しい。

​次に、イロイロな感情ワークをしました。失ったものを一分間で書きだしていきます。これもなかなか難しい。失ったものをなんて山ほどあるはずなのに書こうとすれば浮かんでこないです。そんな中、私は時間と記憶だったかな?ほんと、振り返れば大切なものを失っているなぁと思いました。そして、次に失ったものの感情を言葉にしました。悲しい、ツラいだけではない多くの感情が次から次に出てくるような感じがしました。複雑な感情が入り混じって大きく分けて悲しいとかツラいとか無意識のうちに分けているのかなぁと考えたりもしました。イロイロな感情ワークの最後に、感情を描く?ワークをしました。どういったものかというと、「悲しみ」「ガッカリ」「後悔」「感謝」の感情を色や形で表していくワークでした。感情一つとっても色や表現が一人ひとり違うのに日常的に感情をひとまとめにしているような気がしました。


(失ったものを書いてます。案外難しい。)


(感謝を色と形で表現しています。人それぞれ違っていて面白いなぁと思いますし、似ている形、色使いもあって興味深いと思いました)

小休憩後、てるみんさんによる講義の時間が始まりました。グリーフの概要を詳しく分かりやすく例を出しながらお伝え下さいました。その中で特に関心があったものとして喪失と回復の二重過程モデルというものでした。喪失志向(亡くなった人のことを思い出す、失ったことについて考える、侵入的悲嘆。回復の否定)と回復志向(新しい役割・生活への適応、自分の将来に向かって生きる、仕事などに励む、楽しい事をする)があります。喪失志向から回復志向にいずれはなっていかなければならないと思っていた私にその間にはゆらぎがあっていいんだよ。ありのままでいいんだよ、それが自然なんだよと教えて頂きました。言葉で表すのは難しいけれどグリーフサポートの力ってあたたかいなぁと感じました。そのゆらぎの気持ちを大切に出来る場がお寺であったらお寺もあたたかい場になるだろうなぁと思う事でした。

小休憩後、この日最後のワークショップになりました。なくしたものになるワーク、これも二人一組になり一人がなくしたものについて語ります。そのものの思い出やいつなくしたなど詳しく語っていきます。
次に、聞いていた方がそのなくしたものになって話しかけてくれます。あの時はこうだったね。今はどうなのなど、先ほどの会話の内容から想像して語ってくれます。私から見た一方的な方向だけではなく違ったものの見方ができたような気がして意味のあるワークになったと思います。


(てるみんとりなさんでなくしたものワークのデモンストレーションの様子)

最後に、チェックアウトをして第一講の連続研修会を終えました。グリーフという事を学ぶ、知る事は日常生活や現場で大きく違ってくるという感想もありました。理解で終えるのではなく多くの経験から学ぶことが多いことなのだなぁと感じました。この場から生まれる何かに思いを寄せながら第二講以降も大変楽しみにしています。
合掌