こんにちは。浄土真宗本願寺派安楽寺の澤田まつりかです。
2019年10月1日に開催された第5講は、グリーフサポート連続講座in茨城の最終講でした。今回の受講者は25名、皆さんすっかり打ち解けて終始なごやかな雰囲気でした。テーマは「お寺からはじまるグリーフサポート」で会場は何度もお世話になった浄安寺さんです。
まずはいつものように全員で輪になって「チェックイン」から始まります。今回のチェックインは自分の状態を天気で言い表すというものでした。私は、最初にそのテーマを聞いた時には、天気予報のように雨、曇り、晴れくらいしか思い浮かびませんでした。でも皆さんの状態はそんなものではありませんでした。季節、空の色、風、温度、空気など、全員違う表現の仕方でした。人間も天気も単純なものではないんだなあ、改めて「感じ方は一人ひとり違っている」ということを実感したチェックインでした。
その後は各テーブルに分かれ、ホームワークの共有をしました。ホームワークは、「この講座を終えて自分にできること チャレンジしたいこと」を考えてくるというものでした。
そしてそこから、今回の講座のメインである「プロアクションカフェ」のワークが始まります。プロアクションカフェは、発案者5名が考えてきた今後やってみたいグリーフケアのアイデアを、他の受講者がサポーターとなりブラッシュアップしていくというワークでした。
数ヶ月前に初めてグリーフについて知ったのに、自分がケアをする側になるなんて、、、と恐縮してしまいましたが、グリーフサポート講座を受けたからにはぼーっとしていてはいけないな、と思わされ、同じテーブルの方にも背中を押され、私も発案者にならせていただきました!発案者となった5人は、まず全員の前でやってみたいことについて紹介します。各自の経験の中で、それぞれの切実な想いが詰まっているアイデアでした。
そして各テーブルに発案者がつき、そこに4、5人のサポーターが集まります。第1ラウンドスタートです。第1ラウンドでは、アイデアが生まれた背景や経緯を話し合います。サポーターは、各アイデアごとの模造紙に話した内容を書きながら、アイデアを掘り下げていき
ます。ぼんやりと自分の頭の中だけにあったアイデアが、サポーターに伝えるうちに具体的になっていき、新たな提案ももらって、どんどん膨らんでいきました。
何よりも、「本当にこんなことできるのかな」「笑われてしまうかもしれない」と思っていた自分のアイデアを、サポーターが真剣に考えてくれることがとても嬉しかったです。
その後サポーターたちはテーブルを移動し、また新たなメンバーで第2ラウンドです。
第2ラウンドでは、実現に向けてより具体的な話し合いをします。先ほどとは違うサポーターと話をすることで違う角度から考えることができ、先ほど大きく膨らんだアイデアを厳選しそぎ落としていくような作業でした。
そしてまたサポーターは移動をし、最後の第3ラウンドはそれまでの話し合いを整理する時間でした。その後、発案者は全員の前で話し合いの成果を発表をしました。最初は夢のような私のアイデアでしたが、皆さんのおかげで目的は何か、どんな内容のことをやるのか、何時間やるのかなど細かいことまで決まり、あとは自分が勇気を持って開催するだけだな、と思うところまで現実的になりました。やりますと宣言されている発案者さんもいらっしゃり、実現に向かってすでにスタートしているんだなあと感じました。そしてそのような仲間がいることをとても心強く思います。
最後の「チェックアウト」はリボンセレモニーでした。全員で一本の長いリボンを持ち、順に感想を話してリボンを切っていきます。第1講で、主催者のてるみんが自分たちは「お産婆さん」だと言っていました。リボンを切った瞬間、まさに生み落とされたかのような、それぞれのはじまりのようなチェックアウトでした。
自分にできる身の回りのグリーフサポートからやっていきたいと思います。この講座に参加して、グリーフのこと、お寺のこと、仏教のこと、様々なことを考えさせられました。ありがたいご縁をいただき感謝いたします。
合掌