茨城 お寺からはじまるグリーフサポート連続講座 第4講

こんにちは。真宗大谷派の河和田唯章と申します。今回はグリーフサポート連続講座 in 茨城 第4講「お寺×グリーフサポート」をレポートさせていただきます。

今回は色紙を使ってチェックインしました。今の気持ちに合う色を、おのおの手に取ります。水色や赤色、金色や灰色だったりと、みんな様々でした。「いまの自分がどのような状態なのか。アウェアネス(気づきの力)ですね。この色が今日一日の中でどのように変化するのか、変化しないのか。それを踏まえて今日の講座に入っていきます。」という、てるみんの言葉で講座が始まりました。

第4講の目的は「お寺で実践できるグリーフサポートを知り学ぶ」「「分かち合い」を体験を通して学ぶ」です。これまでの講座は1対1の関係がメインでしたが、今回はお寺という「場」でつながるということが、どういうことなのかを学んでいきます。

初めの講義では「グリーフケア・サポートが当たり前にある社会の実現」というリヴオンの願いと、ケア・サポートの種類や現状について学びました。種類が多ければ多いほどグリーフを抱えた人たちにサポートが届きやすく、なかでも「分かち合い」を求めている人は多いというお話を参加者は真剣な眼差しで聞いていました。

ワークでは実際に「分かち合い」を体験しました。本堂で車座になり、初めに「ままに」「人の話は最後まで聞く」などの約束事(グラウンドルール)の共有をします。テーマは「亡くした人・ペット」です。

体験してみて、講義で聞いたことを身をもって感じることができました。グラウンドルールによる安心感。聞き合うということ、そして沈黙の時間。泣いてもいいということ。参加者全員が何かしらを感じずにはいられなかった時間となりました。そして、とにかく疲れました。パワー使いますね。

その後は音楽の時間。参加者が亡き人との思い出とともに選曲した音楽を聴きます。聴く前に、選曲した方が亡き人とのエピソードをお話ししてくださいました。エピソードを聞きながら涙を流す参加者もいました。亡き人との思い出を聞いた後に聴く音楽は、普段とは聴こえ方が違いました。歌詞が心に響くだけでなく、選曲した方のことを身近に感じました。

「分かち合い」を体験したところで、「分かち合い」をお寺でやる意味について、まずは参加者同士で話し合いを持ちました。これまではグリーフをいうことや、ケア・サポートについて学んできましたが、ここからはいよいよ私たちの現場であるお寺を含めた内容です。僧侶だけではなく門徒さんも交えた話し合いは、意見も多様で非常に活発に行われていました。

参加者同士で話し合った後は、すでに開催されている「分かち合いの会」についてのタイムテーブルやグラウンドルールなどの具体例、また参加者がお寺に期待していること、そしてお寺が伝統的に行ってきた枕経や法要の際の茶話会などがグリーフケアの場になっていることを教えてもらいました。

分かち合うことによって、失った後の自分の反応が自然なものだと気が付けるし、それによって安心できる。また、同じということばかりではなく、人は自分と違うということにも気が付ける。そこに比較は必要なく、違いも「ままに」で大切なものであると気が付けることも「分かち合い」の大切な意味だと学ばせていただきました。

今回の講座を受けて、「分かち合い」によってどれほど安心を生むかを学ばせていただきました。そして、ただ話し合うだけではなく、グラウンドルールの大切さや、それがあることでの話しやすさも実感することができました。

次回は最終講となります。今回の講座を受けて、グリーフケア・サポートの形はたくさんあるのだと感じました。その中で自分は何ができるのか。具体的にチャレンジしたいことを考えながら、次回まで過ごしたいと思います。