今日は、グリーフの学校(旧・いのちの学校)ファシリテーター養成講座(以下:ファシ講) 第3期の修了生で、現在はグリーフの学校のファシリテーターを務めている
國松香代(くにちゃん)の歩みをインタビュー形式でご紹介します。

▼くにちゃんは葬儀司会という立場で日常的にご遺族との関わりを持ってこられたと思いますが、グリーフについて学ぼうと思ったきっかけを教えてください。
葬儀司会の仕事を始めた頃、「グリーフ」という言葉を知りました。当時の同僚に、既にグリーフサポートの活動をされていた方がいたことが大きいでしょうか。直感的に、葬儀司会に大切なものはグリーフを理解することだと思いました。遺族にとって聞きやすい司会とはと考えるとき、グリーフの中にある遺族と考えると、聞きやすい司会、聞き取りやすい司会を徹底するようになりました。
東京や大阪まで講習に通い、学びを続けてきましたが、名古屋で学べると知り、深く考えずに受講を決めました。
実はその時、「ファシリテーター」という言葉の意味もよく分かっていませんでした。ただ、グリーフについて学びたいという気持ちだけは確かでした。
▼ 学びを通して、ご自身の「あり方」や人との関わり方は変わりましたか?
学びを終えた直後は大きな変化を感じませんでしたが、時間をかけてじわじわと変わっていきました。
自分でも不思議に思うのが日常の中で、怒りを感じることが明らかに減ったことです。例えば、車を運転しているとき、前車の速度が遅かったり、ウインカーを出さずに強引に進路変更をしたり割り込んでこられると、イライラしていました。
人に対しても同じかもしれません。自分と違う意見の方がいるとき、真っ向から否定はしませんが、意見が違うことに対して、内心イライラしていたように思います。
リヴオンでは「ままに」という言葉を大切にしています。起こっている出来事や感情をそのままに見て、良し悪しの評価(ジャッジ)をせず、「そうか、そうなんだね」とそのままに受け止めていくことです。
グリーフは人それぞれに違います。どちらが正しいとか間違っていることはなく、その人がそのように感じているということが真実なのだと学びました。
自分も「ままに」、相手も「ままに」。そんなまなざしがファシリテーションを学ぶ中で身に着いたのでしょうか。考え方や価値観の違いに触れても「そうなんだね」と自然に受け止められるようになりました。齢を重ねたのもあるかも知れませんが、日常の些細なことでも、不思議と怒りがなくなったように感じます。

▼ 記憶に残っている「場づくり」のエピソードがあれば教えてください。
司会という立場から、葬儀では亡くなられた方のお人柄やご生前中のお姿に触れるようなナレーションを入れるようにしています。
20年ほど前、自死で亡くなられた若い方の葬儀を担当しました。
当時、スタッフからは「ナレーションは入れない方がいいのでは」と言われましたが、ご両親に確認したところ、お母様がこうおっしゃいました。
「息子はこんなにも素晴らしかったということを、ぜひ皆さんに伝えてください」
その言葉に衝撃を受け、それ以来、亡くなり方に関わらず、ご遺族のお話しを丁寧に伺うことを大切にしています。
私の祖母は施設で心肺停止し、大学病院に搬送され亡くなりました。警察には搬送されませんでしたが、検視作業が入りました。その時、刑事さんが祖母のことを「仏さん」と言いました。とっても違和感を覚えました。亡くなって、まだ1~2時間も経っていないのに、仏とは到底思えず、遺族として、まだ生きているかのように「おばあちゃん」と言って欲しかったです。その方の信仰によっては、仏さんでもないのにとも思いました。この経験は、丁寧に聞くことに繋がっているかもしれません。そこにいて、生きている方のことを聞くように、お話しを聞くようにしています。
▼ ファシ講で学ばれたことで、現場で活かされていることはありますか?
師と仰いでいた方が「葬儀司会に必要なのは、技術や進行力ではなく、優しさです」と断言していました。
技術は努力すれば身につきますが、優しさはそうはいきません。
私が「グリーフ」という言葉を知ったのもその恩師からでしたが、グリーフについて学んでいく中で、目の前の相手を優しくまなざしていく力が少しずつ育っていったようにおもいます。
葬儀の場で大切なのは「想像力」だと思います。
もし私があなたの立場だったら——
もし亡くなった方が祖母だったら——
もし喪主の妻が母の立場だったら——
そんなふうに状況を思い描きながら、司会者としてどんな言葉が後々の心の支えになるかを考えています。

▼ 受講を考えている方へ、メッセージをお願いします。
「ファシリテーター」という言葉すら知らずに受講した私ですが、場を通して本当に多くのことを学びました。
グリーフの知識はもちろん、自分のあり方、考え方、場の開き方や場のあり方まで、数えきれない学びがありました。
他団体でも学びましたが、特定の職業に偏らず、リヴオンの学びは一番すっきりと心に入ってきました。
初めての方にも、人生を豊かにしてくれる学びになると思います。ぜひご参加ください。
2026年6月 開講
グリーフの学校
ファシリテーター養成講座 第4期
名古屋・教西寺で開催|全12講・月1回|定員12名
「自分の地域でグリーフを大切に扱える場をひらきたい」「ワークや分かち合いの進め方を学びたい」――
そんな方に向けて、リヴオンが2012年から培ってきた知識と手法を、約1年かけて体系的にお伝えします。
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お問い合わせ:grief.gakko.liveon@gmail.com
